数字以外、何が変わるというわけではありませんが、2017年(平成29年)となりました。
今年もよろしくお願いいたします。
なお、相変わらず「何の役にも立たない話」以外はしません。
2017年(平成29年)の干支である酉年にちなみ、金勝アルプス(金勝山地)に属する「鶏冠山(とさかやま)」の向こうから昇る初日の出を拝もうと、1月1日は滋賀県大津市へ。
京都駅から薄明の空を見上げるかぎり、どうやら新年の夜明けは雲が多そうで、これでは綺麗なご来光は期待できそうにありません。
それでも、太陽で「雲が解ける」現象が起きるかもしれないと楽観的に考え、事前の予定どおり大津の唐崎へ向かうことにします。
実のところ、体調が今ひとつでしたが、とくに風邪を患っているわけではなく、ちょっと行って帰ってくるだけなら問題ないでしょう。
通常、京都タワーの塔体照明は24時で消灯しますが、今年の元日は特別に0時から7時までオレンジ色でライトアップされていました。
そちらはJR湖西線の車窓から確認したのみで、写真は撮影していません。

新年の夜明けを琵琶湖畔で迎える。滋賀県大津市際川から。2017年1月1日の早朝7時過ぎ。
近江八景「唐崎夜雨」で知られる唐崎の南、陸自さんの駐屯地の北、びわこマリーナさんの付近から撮影しています。
左端に「近江富士」三上山、右に金勝アルプスや湖南の山並みを収めていますが、やはり雲が多い空で、三上山の遠方に連なる鈴鹿山脈も霞んで見えないに等しく。
湖南最高峰の阿星山と金勝アルプス竜王山の間に見える低い山が鶏冠山で、私の立ち位置から望めば、計算上、ちょうど「とさか」の向こうから初日の出が昇る、はずです。
緯度が北に動くため、「唐崎ノ松」の先から望むと朝日が姿を現す位置がずれてしまいます。
琵琶湖を眺めてみると、大型の遊覧船が2隻。
琵琶湖汽船さんによる「お正月クルーズ」はミシガンを使うはずですが、もう片方はビアンカでしょうか。
2013年(平成25年)の年始に比叡山の山上からご来光を拝んだ際、ミシガンも眼下に見えていたことを思い出します。

「酉年の干支の山」鶏冠山の向こうから初日の出が……。大津唐崎の南から琵琶湖越しに撮影。
(見掛け上の)初日の出の直前に撮影した写真です。
湖上を行く船舶は、やはりミシガンとビアンカのようですね。
写真中央が鶏冠山で、稜線の向こうが赤く染まっており、今年最初の朝日が姿を現す時も近そうです。
雲は広がっているものの、これならご来光を拝めるかと甘く見ていたら……。

湖南の阿星山や金勝アルプス鶏冠山を大津びわこマリーナ付近から眺望する。酉年の元旦。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
阿星山 | 19.5km | 693.0m | 滋賀県湖南市 滋賀県栗東市 | |
鶏冠山 | 14.7km | 490.8m | 滋賀県栗東市 滋賀県大津市 | |
竜王山 | 16.6km | 604.6m | 滋賀県栗東市 | 金勝アルプス |
残念ながら、寸前で厚い雲に遮られてしまいました……。
私の立ち位置より少しばかり北、堅田のあたりからであれば、ぎりぎりとはいえ、遠くの山と雲の「隙間」に朝日が覗いたようですので、本当に僅かなタイミングで見える、見えないの明暗を分ける結果に。
ただ、「鶏冠山から昇る初日の出」を撮影するためには、この場所を選ぶ必要がありましたので、こればかりは仕方ありません。
上の写真では阿星山と鶏冠山、竜王山が「分離」しており、鶏冠山が独立したピークだと判別できますが、鶏冠山が阿星山や竜王山と重ならずに分かれて見える地点は貴重です。
だいたいの場合において、やや離れた場所から鶏冠山を望むと、より標高が高い阿星山か竜王山の山影に「飲まれて」しまいます。
例年、元旦はサンセットハイキングがてらに山の上からご来光を拝んでいますが、今年は山ではなく平地を選んだ最大の理由でもあります。
現代において、鶏冠山は「ケイカンザン」と音読みで呼ばれることが多いようですが、古くから金勝山の一帯は「トサカヤマ」とも呼ばれていました。
1926年(大正15年)の『近江栗太郡志 卷參』では「鶏冠山」の「鶏冠」に「とさか」と振り仮名を振っており、土地の人は「蛇山」と呼ぶ云々と見えます(つまり、鶏冠山は酉年の山であるだけではなく、実は巳年の山でもあります)。
鶏冠山の山容や、あるいは「トサカ」の呼称や由来は(私にとっては)面白く、いくつか記録として残しておきたい話もありますが、年明け早々、長文を書く気力が湧かないので、また別の機会に譲りましょう。
初日の出そのものは拝むことができなかったものの、湖南や金勝の美しい山並みや、穏やかで静かな琵琶湖を観ることができただけでも十分です。
酉年の「とり」は雄の鶏さんをあてるのが一般的な解釈で、これは上の記事にも写真を掲載している日吉大社さんの大きな干支絵馬などでも明らかです。
しかしながら、そうなると京都府には酉年にまつわる山が見当たりません。
方角とこじつけるか、広く鳥さんで東山の鳥部山(鳥辺山)、あるいは苦し紛れで八幡の鳩ヶ峰や福知山の烏ヶ岳など他の鳥類か。
辰年の「龍」「竜」の山であれば、それこそ、金勝アの竜王山をはじめ、滋賀県には数多いのですけれどね。

新年の夜明けを迎えた「近江富士」三上山と「甲西富士」菩提寺山をJR唐崎駅から遠望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
鏡山 (西の竜王山) | 19.5km | 384.5m | 滋賀県蒲生郡竜王町 滋賀県野洲市 | |
三上山 | 15.5km | 432m | 滋賀県野洲市 | 近江富士 |
菩提寺山 (竜王山)(櫻山) | 16.9km | 353.2m | 滋賀県湖南市 滋賀県野洲市 | 甲西富士 |
十二坊 (岩根山) | 21.9km | 405.0m | 滋賀県湖南市 |
朝靄の中、遠くに三上山や鏡山丘陵のシルエットが浮かんでいましたが、鈴鹿山脈は相変わらず見えません。
昨日2日、今日3日も遠くは見えにくいと感じますので、どうも2017年は霞み空から始まったようですね。
鏡山の手前には妙光寺山なども写っていますが、鏡山と重なるため、遠目にはピークが分かりません。
以下は私事。
昨年末、2016年(平成28年)12月30日、夕方まではどうということはなかったのですが、夜になって急に体調を崩してしまいました。
咳や鼻水等の諸症状は見られず、ただただ熱が異常に高く、身体が重いだけで、おそらくは慢性的な睡眠不足と疲労の蓄積だろうと判断し、大晦日は寝て過ごすことに。
ほぼ毎年の恒例行事となっていた大文字山での登り納めも断念し、18時間ほど寝ていたら熱も下がりましたが、さすがに宇治川の花火は諦めざるをえません。
「えっ、宇治川で花火!?」と思われるかもしれませんが、実は大晦日の20時から2分間ほど、宇治川で花火が打ち上げられました。
元々は個人さんの企画から始まったらしい? 小規模な催しながら、宇治川で花火が上がるのは久々でしょうか。
直前とはいえ大晦日の夕方には告知されていましたし、前日には口コミなどでも話が広まっていましたので、気付いた方もいらっしゃるかもしれません。
2017年の夏には正式に宇治川花火大会が復活することを願っています。
昨年、私が枚方のサプライズ打ち上げ花火を遠くから撮影できたのは偶然の賜物です。
何ごとに限らず、一期一会の精神を大切にしたいですね。
2017年1月
滋賀県大津市
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